読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

いおり日記

大阪市淀川区 いおり鍼灸院 院長・金澤秀光が綴る東洋医学に関するよもやま話。  「心身一如」の古典医学に立脚し、個人の有り様と、人間を取り巻く環境との相関的視点から気ままに書いています。 過去のブログ記事はこちらへ→http://iori-hermitage.sblo.jp/

四季の過ごし方・・・秋は刑の季節?

つつましく・・・


 11月ともなると、朝夕めっきりと寒く感じるようになってきますね。

春から芽を出した草木は、ようやく結実の時期を迎え、やれやれといった感じの声が聞こえてくるようです。

東洋医学の原典『黄帝内経(こうていだいけい)』の中に、<秋刑を緩める>という言葉が出てきます。

そこで「刑」という言葉の意味から、この時期の心の在り様などを探ってみます。
「刑」は井と刀(りっとう=)を組み合わせた文字だそうです。

井は、首かせをかたどった文字で、行動の自由を奪うために首や手足にはめる道具で、その後時代を経て、鼻・耳・首を切り落とす刀を加えて「刑」という文字が出来上がったとのこと。
※ 参考 常用字解 白川 静

何やら恐ろしげな文字だったのですね。

 翻ってこの時期をよく感じてみると、夏の活発な陽気は鎮まり、次第に寒気が深まり、何かと動き辛い季節が到来する予感がしませんか?

『黄帝内経』では、以下のように記述されています。

「秋からは、夜が長くなり昼は短くなってくるので、それに合わせて早寝・早起きするのがよい。朝は鶏が日の出を告げるころに起き始めるのがよい。」

 「心は、あれこれ思わすに気を鎮めて緩め、安定させるのがよろしく、そうやって万物を堅く収縮させ、枯れ死させ、刑罰を思わせるような秋の気とバランスを取るようにするべきである。」

 と、まあこのように説いています。

気持ち的には、あれもこれもしなくっては・・・と、心を忙しく散乱させるのではなく、秋の引き締まる気に傷害されないよう、気ぜわしく動き回らないようにしなさいということなのでしょう。

 が、簡単なようでなかなかむつかしく感じるのが現代です。

第一、労働形態が当時とは格段に異なっていますからね。(言い訳にしないようにしなくては・・・)

とはいっても、現代病がはびこるのは、自然界の法則を無視した生活にあると、東洋医学ではそのように考えますので、やはりここは謙虚に耳を傾けていきたいものです。

冬になると風邪を引きやすい、何かと体調が悪い方は、この秋の過ごし方がとても重要になって参ります。


先ずは、ご自身の今の心の状態を振り返ってみることから始めませんか。

そして、少しでも自然に寄り添うような生活になるように工夫したいものです。