いおり日記

大阪市淀川区 いおり鍼灸院 院長・金澤秀光が綴る東洋医学に関するよもやま話。  「心身一如」の古典医学に立脚し、個人の有り様と、人間を取り巻く環境との相関的視点から気ままに書いています。 過去のブログ記事はこちらへ→http://iori-hermitage.sblo.jp/

白・黒砂糖とその働き

 前回のブログ『風邪と熱中症』の中で、甘味について少し触れましたので、甘味の代表選手、砂糖の健康に対する良し悪しについて少し書いてみます。

 

 食養をされておられ方や、自然食にこだわてあられる方から、ちょくちょく「白砂糖」は体に良くない、というようなことをよく耳にします。

 黒砂糖なら、ミネラルも豊富で自然に近いので、身体に良いという話も同時に聞きます。

 この場合の良し悪しは、ミネラルと自然が判断基準ですよね。

 はちみつや自然塩も同じ考えで判断されてます。

 

 ところが筆者は、ミネラル・自然品による白黒砂糖の良い・悪いはあまり意味が無いと考えています。

 確かに、ミネラルとか自然のものは、より自然に近いという観点では良いかもしれませんねぇ。

 ところが、甘味の持つ気の作用として考えると、薬にも毒にもなると考えることができるのです。

 実際、奈良・正倉院には、砂糖は薬品として蔵されているそうですよ。

 当時は、大変な貴重品だったそうで、実は筆者の生まれた昭和30年代には、まだ贈答品として扱われているほど、高価な品だったのですよね。

 

 それはさておき、甘味の気の作用ですね。

 ズバリ、緩める作用があります。

 漢方のほとんどの薬に、甘草という非常に甘い薬草が使われています。

 次回、この薬草・甘草が漢方薬にどのように使われているのかを通じて、日常の砂糖をどのように扱えば良いのかを、見て行きたいと思います。

 

 

 

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風邪と熱中症

 最近、2週間ぶりに来院された方が、6月の後半に風邪を引いた後に、熱中症になったというではありませんか。

 筆者、もうびっくりしました…なんで?

 経過を良く聞くと、風邪と熱中症、どうも違うんですね、これが。

 

 みなさま、ど緊張して手足が冷たくなったという経験ありません?

 あれです。

 色々と問いますと、緩慢な緊張が続いていられたことが、主な原因となっておられたのです。

 

 少し、詳しく書きますね。

 風邪は、扇風機の風が何となく肌寒く感じて、冷房下では肌が冷たくなっておられたそうです。

 それにもかかわらず、どこか熱い…

 そうこうしているうちに、身体がだるく大量の鼻水が出てきたので、これは風邪だと思われて外出をあきらめて、休もうと決められたのだそうです。

 その直後、激しいめまいと頭痛で立っていることが出来ずに倒れ、続いて悪心・嘔吐されたそうです。

 傍らにいたご主人が、こりゃ熱中症だ!と判断されて粉のポカリを水で溶いて大量に飲ませてくれたことで、しばらくして徐々に症状は緩解していったそうです。(よかったですねぇ~)

 その後もポカリを飲み続け、それまで便秘傾向であったものが、やっと改善され、小便もよく出るようになったとのことです。

 ここまでが発症までの経過です。

 

 そこでね、患者さんに「非常に緊張したり、思い煩うようなこと」がありませんでしたか?と問いました。

 すると、ある方のお祝い事で、何を贈るか色々と考えあぐんでいたこと。

 実際にお会いして、非常に緊張したこと。

 その後も、贈った品に対してご相手の方が、どのように感じておられるかを、ずっと気にしておられたことなどが浮かび上がってきました。

 筆者、なんか、取り調べの刑事さんみたいですねぇ~ (^.^)

 

 そしてこの緊張で、体表に向かうはずの熱が、体内にこもってしまわれたのですね。

 

 まあ、とにかくポカリ水で冷やし、甘味で緊張を緩めたことで大便と共に体内の熱も排泄されて危機を脱せられたということです。

 そして来院当日、首と肩の痛みが現れておられてます。

 体内の熱は便と一緒に出たんだけれど、緊張・葛藤がまだ残っていることの現れです。

 

 患者さんがおっしゃるには、「先生、これが四十肩なのでしょうか?」とおっしゃるくらい可動制限もあります。

 そこで筆者は、ここしばらく雨が続いていますが、雨天時になって一気に症状が厳しくなってませんか?と問いますと、まさにそうでした。

 おそらく、甘味の影響による、体液循環不全のためでしょう、特有の鈍痛・重だるさを伴っておられます。

 

 さて、ここまで書いて来まして、みなさまに最もお伝えしたいことがあります。

 熱中症にしても肩首の痛みにしても、背景には生きていく上での諸問題が必ず横たわっているということです。

 これを、筋肉や骨格のゆがみであるとか、はたまた神経の問題にしてしまいますと、起きている現象の本質から目が離れてしまいますよね。

 そうしますと、根治しないばかりでなく、ご自身の精神性や霊性と向き合うことができなくなってしまいますよね。

 

 すべての病が、このようであるとは申しません。

 ですが身体は、自分の心はもちろん、自分が関わっているすべての関係性(霊性)が現れるのだという視点をお持ちくださればと思います。

 そうしますと、禍であった病が、転じて大きな福となります。

 また鍼灸医学は、このような医学であることも、併せてご承知くだされば、幸甚です。

 ちなみに、使用しました経穴は二穴で、たちどころに回復されています。

 

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今日感じた感謝

 地震に大雨…自宅と治療所が大阪府にある筆者も、大自然に木の葉のように翻弄されながらも、まあなんとか通常の生活が出来ております。

 避難されてる方々、これからどうしようかと途方に暮れておられるみなさま、こころよりお見舞い申し上げます。

 

 筆者が通勤に使っております泉北高速は、幸いにも今朝、和泉中央ー中百舌鳥間は通じておりまして、中百舌鳥=西中島南方間の大阪メトロも通じておりました。

 

 乗り換えの中百舌鳥駅では、幾人かの駅員さんが大声を出しながら遅延証明を出し、ごった返した構内も、駅員さんの懸命な姿を見て、いざという時の人々の一生懸命さに、筆者はひそかに大感銘を受けておりました。

 

 少し違和感を感じたのは、電車の遅れと不通になってる区間に対する、車内のお詫びの言葉でしょうか。

 繰り返し繰り返し、お詫びのアナウンスが流れるのですが、誰もこの事態を過失と捉えて抗議する人、いないんじゃない?って思ったのですが、どうなのでしょう。

 もう、いいから…って感じでした。

 それよりもむしろ、こんな事態なのに電車動かしてくれてありがとう!!

 の、感謝の気持ちが強かったのは、ひとり筆者だけでしょうか?

 

 今朝、通学直前の小学3年の娘の元に、休校の知らせ。

 娘、やったぁ~!!! の、大喜び。

 ??? そんなに学校行くの、嫌やったんかいなって聞くと、普段できないことが出来る非日常がうれしかった模様。(それって、いったいなんやったんやろう…)

 

 そういえば、筆者も覚えがあります。

 筆者の子供の頃は、ちょっとしたことで頻繁に停電してましたので、ロウソクの灯りの元での夕食が、何となく非日常的で幻想的でワクワクしてたのを思い出しました。

 親の苦労など、全く視野に入ってませんでしたねぇ~アハハ…そこは子供でしたから(^-^;

 

 でね、担任の先生から、お子さんどうされてますかとの、お伺いの電話があったとのこと。

 加えて、登校してくる生徒を自宅に帰るように、学校の校門に風雨が厳しい中、先生方が立たれていたとのことです。

 ほんま、頭が下がりますね。

 大変なことが起きても、人のために活躍してくれる人ってたくさんいらっしゃいます。

 ほんま、ありがたいことです。

 ささやかなところで、人の気づかいを感じて、小さな感動もたくさん頂けました。

 うれしかったですねぇ。

 筆者も、自分に出来ることで、そのような方々の末席に加わりたいと感じた今日でした。

 明日、またさらに雨足が強くなるとの予報。

 みなさま、お大事に至りませんように、こころより願っております。

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飲水と夏バテ

 先週の炎天下から、梅雨模様の天候となって参りました。

 患者さんの中にも、ちょっとしんどくって、少し食欲も落ちて来た、とおっしゃる方もちらほらいらっしゃいます。

 いわゆる、夏バテの兆候ですね。

 この夏バテ防止のための秘訣をひとつ、今回書きますね。

 それは、できるだけ水を飲まないようにする、ということです。

 特に冷飲です。

 何のために?

 はい、不必要な汗を、できるだけかかないためです。

 表現を変えますと、汗をかきすぎないためです。

 

 世間で言われていることと、だいぶん違いますねぇ~。

 ですが、我々の医学的見地からは、このようになるのです。

 

 そもそも汗は何のために出るのでしょうか?

 体内の熱を、体液と一緒に外に逃がすためですよね。

 体内の熱=エネルギーです。

 汗=体液+エネルギーです。

 簡単な図式です。

 汗が出過ぎると、体内のエネルギーが不足して、今度は汗が止まらなくなってしまいます。

 そうなると、いよいよ虚脱症状、脱水症状で倒れることになります。

 

 このエネルギー、我々の医学では、「気」と呼びます。

 気が虚脱すると、大変なことになります。

 脱水を防ぐための飲水が、過ぎるとかえって虚脱・脱水症状となってしまうのですねぇ。

 

 みなさま、たいていの方はおしっこすると自分で溜めることができますよね。

 エネルギーが不足すると、おしっこを溜めることができずに、垂れ流しとなります。

 生命の危機ですよね。

 体液の漏れを、自分で調整できなくなることって、怖いことなんです。

 

 みなさま、真夏の暑い時に水を飲むと、とたんに汗が吹き出すといった経験ありませんでしょうか。

 積極的に水分を摂ると、汗をかきすぎてエネルギー不足となります。

 その結果、虚脱とまではならなくとも、体がだるくなり、回復しがたくなります。

 また、体内のエネルギーが不足するので、消化能力が低下します。

 ですから食欲も減退しますし、軟便・下痢にもなりやすくなり、ますます体力が落ちてしまいます。

 

 するとどうしても、口に入りやすい冷たいものや飲水に手が伸びますので、悪循環へと陥ってしまします。

 

 飲水は、積極的に摂る、というよりも、ちょっとひかえめに、

 そして常温に近いものを摂るというのが、何よりもの夏バテ防止になります。

 ちょっと心がけてみてください。

 朝の目覚めも、すっきり。

 すぐに実感して頂けると思いますよ。

 

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サラサラとベトベトの汗

 昨日、学校の授業で学生から、以下のような質問がありました。

 汗がサラサラの時と、自分の汗ながら何かベトベトして気持ち悪く感じる時があるのですが、この違いは一体何を現しているのでしょうか、という内容です。

 東洋医学は、検査器具を一切用いません。

 ですから、日ごろ自分の身体に現れる症候を常に観察するように指導しています。

 この汗に違いは、いったい何を現しているのでしょうか。

 

 これは、体液の代謝の状態を現しています。

 サラサラの汗は、そのまま体液循環がスムーズに行われていることをしましていますので、汗をかいても、こころと身体は比較的爽快感を伴います。

 一方、ベトベトの汗は、体液の粘性が高くなっていることを示していますので、体液の循環が滞りがちとなります。

 ですから、汗をかいて不快なだけでなく、なんとなくこころも身体も重いようなだるいような感じを伴います。

 この質問をした学生さんも、振り返ると確かにそうですと同意していました。

 

 加えて、どのようなことに起因して、サラサラとベトベトになるのかと質問がありました。

 粘度が高くなるのですから、ジュースやスポドリなどの甘い飲料。

 そしてクリーム系のものや肉・油類のものを多くとると、ベトベト汗となりやすいのです。

 また、ニンニクや香辛料、お酒(特に醸造系)などは、体内に熱を生じますので体液もまた煮詰まるようなイメージで、ベトベトするようになります。

 この事もまた、振り返ると確かにそうだ…と納得してしました。

 

 体液の粘度が高まり、汗がベトベトするようになってきますと、身体がなんとなく重く感じたりだるく感じるようになります。

 極端な方は、鬱気味になられる方もいらっしゃいます。

 夏の飲料は、やはり麦茶が一番。

 そして夏野菜で身体を涼しく保って、快適に元気で乗り切りたいものです。

 天気しばらくぐずつきそうです。

 このうっとおしさを打ち払い、元気で参りましょう!

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地震予知、愉快犯or売名?

 みなさま、梅雨の間の暑気、なかなかしんどいですね。

 今回は、我が家の妻との夕食時の会話から。

 たまたまらしいのですが、妻のSNSの友人のそのまた友人の投稿を身て不安になってしまったとのこと。

 その投稿とは、今後6週間以内にまた関西のどこかで震度7以上の地震が来るとのことでした。

 筆者は、笑ってしまいました。

 それなら、今回の大阪北部での地震、これこれの予兆なり自分の感覚で予測できたはず。

 それを、身近な人に伝えることもできたはず。

 で、事後の後、こんなこと言って外れたとしても、責任の取りようがないですよね。

 このような情報を愉快犯と称します。

 そうか、今回の地震に乗っかっての売名?

 本当に、今後6週間以内に地震が起きたとします。

 でもその情報に、あるいはその人に重きを置くべきでないと、筆者は考えています。

 これは、占いや病気でも同じで、その兆しをあらかじめ誰もが確認し得る形で発信するのが筋というものです。

 それなくして、このようなこと誰にだって言えます。

 みなさま、くれぐれも翻弄されないように、お気を付けてくださいね。

 それでは!!

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うるさいねんって!

 先日お見えになられた、キャリアの女性患者さん。

 いつも受診前に、ここ最近の体調を書き綴ったメールを送ってきてくださる、大変ありがたい方です。

 主訴の喘息も再発することなく、順調な経過をたどっておられます。

 ところが今回のメールには、

 「やる気の無さとアルコール量は反比例、アルコールと肉とニラ・ニンニクの類を好きなだけ摂取してみました」

 「心身共にフラストレーションが溜まっていく感覚が、よくわかりました。」

 その結果生じた身体症状も、MAX腰痛い、太ももから膝にかけて痛いし、もう限界です!

 とのこと…(汗) 

 

 会社で、自分らしく、思ったり感じたことを遠慮なく表現しておられるとのこと。

 自分を抑えることに、もう限界とのことです。

 すると、同僚から色々と言われたり、うわさが広がっているとのこと。

 ご本人、もう怒りの限界だ!!とベットで仰せです。

 色々とお聞きしてると、怒りの感情がねじれていないのですよねぇ~。

 ご自身に偽りが無いと言いますか。

 聞いてて、不快に感じないのです。

 だからでしょうね、あれだけ厳しかった喘息症状が、全く再発していないのですよ、これが!♪

 

 患者:先生、周りがもうブンブンブンブン、ハエみたいにうるさいねん。

    気にしてないけど気が散るねん。

 筆者:まあ、じぶんから殺虫剤まかんようにね。

 患者:人の事言ってる間に仕事したらええねん。仕事に集中できてない証拠や。

 筆者:まあ、そうやな、その通りやと思う。

 患者:先生かて、こんだけしゃべっとっても、鍼を刺そかとするときは、しゃべらへ

    んやん。

 筆者:いや、これはどうも…

 患者:しゃべりながら仕事する奴なんか、どうせ自分の仕事に対する限界が見えて

    る奴や。

    人のうわさしてる間に、仕事に集中しろよって、ほんまにぃ!

 筆者:はい、その通りだと、思います…

 

 鍼、1本刺すと即座に我に返られて、腰、楽!って。

 もう一本刺すと、足、楽! って、ようやく静かな時を迎えまして…

 ちなみに穴所は、後谿穴と章門穴です。

  鍼が効いたのか、何が効いたのか…

 もう言いたいこと言い尽くして、自己完結してえらいすっきりして、いいお顔でお帰りになられました。

 足腰の症状も、きれいに取れました。

 中には、このような方もいらっしゃるということで。

 今回は、なにも申し上げることはございません。

 では…(*^。^*)

 

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